2019年01月11日

ヨセコウに着手する手の価値(収束論)

N 手 ヨセコウ( N = 1、2、3、4、・・・ )に 着手する 手の 価値 の 総和 は、
コウの出入り の 3分の1 に 収束 する。

これは、ほんの思いつき から 浮かんだ 仮説 である。
とりあえずは、仮説 としてある。
だけど 直感的 には、どうみても 自明 な 真理 だと 思っている。
したがって かしこまった 証明 などは、必要ない。

それでも 念のため、この 仮説 が 正しいかどうかを 検証 してみたい。
これを読んだ人は、この 検証 が 正しいかどうかを 検証 して 欲しい。

囲碁 の 対局 においては、さまざまな 形状 が 出現 する。
個々の 形状 は、客観的 にみて 妥当 と 見なせる 固有の 目数 (地) を 持っている。
それを ここでは、形状の「 基準値 」と呼ぶことにする。
ヨセ の 見合い計算 においては、形状 に 対して 双方が それぞれ 先着 した 結果を 折半 した
目数 を あらかじめ 想定 する。
基準値 というのは、そのような 目数 である と 思ってもらえばよい。

本 コウ に おける 2つの 形状 の 基準値 は、コウ の 出入り全体 を 3分割 した 地点 に
それぞれ 位置づけ されている。

囲碁 の 対局 において、何らかの 着手 が なされたとする。
その手の 価値 は、着手前後 の 形状の 基準値 の 変化(差) そのもの である。

1手 ヨセコウ に 着手 したときにできる 形状 の 基準値 は、
相手有利 の 本 コウ の 基準値 と 等価 である。

そのように 判断する 根拠 は、下記 の とおりである。

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     ┼┼●┼○○○○
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これは、1手 ヨセコウ の 一例 である。
これに 黒 が着手すると、下記 のようになる。

 (A)  ┼┼┼┼┼┼┼┨
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     ┼┼●┼○○○○
     ┼●●○○●●●
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一方、下記 は 相手有利 の 本コウ である。

 (B)  ┼┼┼┼┼┼┼┨
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     ┼┼●●○○○○
     ┼●●○○●●●
     ┷●┷○┷○●┛

前者 すなわち (A) と まったく 同じ 形状 が、3つ あると 仮定 する。
それに対して、双方 が 最善 を 尽くして すべての コウ を 解消 する。
結果は、黒 が 3つの コウ のうちの 1つ を 解消 することになる。

同じことを、後者 すなわち (B) に 対しても やってみる。
そうすると、前者 と まったく 同じ 結果 に なることが わかる。

この 事実 は、どのように 解釈 したら よいのであろうか ?

これをもって、これら 2つの 形状 は 実質的に 等しい 基準値 を 持っていると 判断
してもよいだろう。

同じ 形状を 3つ 集めた、ということが 気にくわない という人が おられるかもしれない。
もっとも、である。
だが ここでの 議論は、あくまでも 「 一般論 」 である。
細かなことは 無視して、もっぱら 客観的 に 妥当な 結論 を 得ようとしている。
本コウ に 着手する手の 価値 は、 コウ の 出入りの 3分の1 であると されている。
これも、「 一般論 」 であるという 前提 のもとでのみ 成立している。

1手 ヨセコウ に 着手 した 手 の 価値 は、
1手 ヨセコウ を 相手有利 の 本 コウ に 変換 した 価値 と 同等 となった。
目数 は、1手 ヨセコウ の 基準値 と 相手有利 の 本 コウ の 基準値 との 差 である。

まったく 同様にして N 手 ヨセコウ に 着手 した 手 の 価値は、
N手 ヨセコウ を(N-1)手 ヨセコウ に 変換 した 価値 と 同等 となる。
目数 は、N 手 ヨセコウ の 基準値 と(N-1)手 ヨセコウ の 基準値 との 差 である。

N 手 ヨセコウ( N = 1、2、3、4、・・・ )に 着手する 手の 価値 を 総合計 すると、
どうなるだろうか ?

N が 大きく になれば、その ヨセコウ の 基準値 は 相手が コウ を 解消 した 形状 の
基準値 に 限りなく 接近 する。

したがって 総合計 は、相手が コウ を 解消 したときの 基準値 と
相手有利 の 本 コウ の 基準値 との 差 になる。

その 目数 は、コウ の 出入り の 3分の1 である。

検証 は、以上 である。
手法 が、いかにも ドロ臭い。
誰かが、スマート で 目の覚めるような 立証 を してくれることを 期待 している。

成立 しようが しまいが、どうでもいいような 仮説 である。
それでも、それなりに 存在価値 が ある。

ヨセコウ に着手する 手 の 価値 については、さまざまな 説 が ある。
そうした 説 の 正当性 を 検証 する際に、 ささやかながら 貢献 をする。
たとえば 仮に、
「 1手ヨセコウ に 着手する手の価値は コウ の 出入りの 1/4 で、
 2手ヨセコウ は 1/5 」
という 説 が あるとする。
そのような 説 は、即座 に アウト になる。
なぜならば、 1/4 + 1/5 = 9/20 > 1/3 だからである。

ここで、ヨセコウ の 基準値 を 想定する 案 の 一例 を紹介する。

全く同じ 形状 の N手 ヨセコウ が 2 の(N+1)乗 + 1 個 あるとする。
それに 対して、双方が 最善を 尽くして 全ての コウ を 解消 する。
そうすると ヨセコウ 側 は、そのうちの ちょうど 1個 の コウ を 解消 することになる。

この 記述 が 正しいかどうかは重要 なので、念 を入れて 検証 して 欲しい。
正しいと 認定 されれば、N手 ヨセコウ 基準値 は ほとんど自明 である。

たとえば 1手ヨセコウ (N=1) であれば、2の(N+1)乗 + 1 は 5 である。
ヨセコウ 側 が 1個の コウ を 解消し、相手側 が 4個 の コウ を 解消する。
基準値 は 明らかで、按分 により A/5 - 4B/5 すなわち (A+B)/5 - B となる。
ここで A は ヨセコウ 側 が コウ を 解消した時に獲得する目数で、
B は 相手側 が コウ を 解消 した時に 獲得 する 目数 である。
(A+B) は、コウ の 出入りの目数 になる。

2手ヨセコウ (N=2) なら 基準値 は (A+B)/9 - B で、以下同様 である。

N手 ヨセコウ の それぞれの 基準値 が 想定 されたら、
各 ヨセコウ に 着手する 手の 価値 は 自動的に 定まる。
単純に、低次の ヨセコウ の 基準値 との 差分 だからである。
結果 は、下記 の ようになる。
数字は、いずれも、コウ の 出入りの目数 (A+B) を 基準にしている。
総和 は 当然ながら、1/3 に 収束 している。
 
 (1/3-1/5) (1/5-1/9) (1/9-1/17) (1/17-1/33) (1/33-1/65) ・・・
   2 / 15   4 / 45    8 / 153   16 / 561   32 / 2145  ・・・

基準値 に どのような 値 を 設定 するかについては、様々な 考えが あると思う。
そうした 案 が 提示 されることを、期待している。
                                             ( 以上 )

  

Posted by karoku at 14:19Comments(0)TrackBack(0)コウ

2017年05月01日

ヨセコウ

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 黒 の、一手ヨセコウ です。
 黒 が勝てば 17目 の 黒地 ができ、白 が勝てば 9目 の 白地 ができます。
 したがって、出入りは 26目 です。

 ここから先は、「 頭 の 体操 」 に なります。

 これと同じ形状の 一手ヨセコウ が、60個 あります。
 これ以外の石は存在せず、コウ材 もありません。
 また、外側の 黒 は生きているものとします。
 
 双方 が 最善 を 尽くして、すべての コウ を 解消 したとします。
 黒地 と 白地 の差は、何目 になるでしょうか ?

 ここで 得られる 結果 を 使用すれば、この 形状 が 潜在的 に持っている
 目数 すなわち 基準値 を 算出することができます。 
 
 それは、それなりに 大きな 成果 です。
 ただ 現実 の コウ の 基準値 は、まわりの 状況によって 大きく 変動 します。
 宿命 のようなものであって、避けることはできません。

 ここで 得られる 値 は、振り子 の ように 変動 する コウの 基準値 の
 中心値 であろう と 思われます。
 そういう 意味 で ここでの 議論 は、あくまでも 「一般論」 なのだということを
 わきまえておかなければ なりません。
 「一般論」なのですから、対局現場 の 課題 に 対応 できないのは 明らかです。
 でも、マクロ (高次元) の視点 には それなりの 効用 が あるはずです。

 ヨセコウ の形状 の 基準値 が 算出 されたら、
 次には ヨセコウ に 着手する 手 の 価値 にまで 話 が 発展 していきます。

 そういう 意味 で ここに 掲げた 問題 は、面白い テーマ の 入口 に なるだろう
 と 思っています。
  

Posted by karoku at 17:02Comments(0)TrackBack(0)コウ

2016年10月03日

ヨセコウに着手する手の価値(追補)

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 黒 の1手 ヨセコウです。

 これと まったく 同じ形状の 一手ヨセコウ が、たくさん あるとします。
 これ以外の石は存在せず、コウ材 もありません。
 また、外側の 黒 は生きているものとします。
 
 双方が最善を尽くして、すべての コウ を解消します。
 この ヨセコウが いくつあれば、黒 が 1つの コウを 取ることが できるでしょうか ?

==> という ことが、テーマ になっていました。

    これについては、さまざまな 議論 が ありました。
    でも 最終的には、5 個 が 正しい という 結論 になりました。
   
    1手 ヨセコウ なら 5 個、2手 ヨセコウ なら 9個、以下 17個、33個 ・・・
    という 具合 です。

本件について、先日
 九州工大・知能情報工学 中村 貞吾 准教授
から「ご教授」を賜りました。
しょせんは素人のたわむれだったのですが、
ここまでお手数をかけて頂いたということで感激しております。
こういう案件については、やはり専門の方に教えてもらわねばなりません。
いろんな方に迷惑をかけましたが、
不謹慎ながら一石を投じたかいがあったと喜んでおります。

それはさておき、「ご教授」の内容をこれからお伝えします。
先生から頂いた文章は、下記の通りです。
ただし、原文のままではありません。
自分の理解した範囲で自分にわかるように書き変えました。
自分を納得させるためにあえてそのようにした、ということでご容赦ください。
まちがった表現があるとすれば、それは私の責任です。

1. 黒 から の「 n手ヨセコウ 」があるとき、
    黒 が コウ を 取っていれば その 局面 を Bn 、
    白 が コウ を 取っていれば その 局面 を Wn 、
   と 表記 する。

   問題図は、「 1手ヨセコウ 」において 白 が コウ を取っている 局面 なので W1 である。
   W1 に対して 黒 が コウ を取れば、B1 となる。
   B1 に対して 黒 が ダメ を詰めて 本コウ にすれば、B0 となる。
   B0 に対して 白 が コウ を取り返せば、W0 となる。

2. ここで、「 B0 と W0 」が 「見合い」になっていることに 注目 する。

   「見合い」というのは、互いに「反転」の関係になっているという意味である。
  そのため 最終的には、双方が同じ手数を打ち合って 引き分け(一勝一敗)になる。
  したがって「見合い」があれば、黒 は確実にどちらか一方の コウ を 解消 することができる。
  「 B1 と W1 」や「 B2 と W2 」も、同様にして「見合い」である。

3. 黒 から の「 1手ヨセコウ 」が 何個か あるとき、そのうちの1個を 確実に 解消したい。
   ヨセコウ が 何個 あれば、そのようにできるのだろうか ?

   黒 は、当然の策として「 B0 と W0 」の実現をめざすことになる。
   そのためには、「 B1×2個で黒先 」であればよいことは容易に確認できる。
   また手番に関係なくそれを実現するということであれば、「 B1×2個+W1 」であればよい。
   「 B1×2個 」は「 W1×4個 」と同等なので、これは「 W1×5個 」と同等である。
   したがって、「 1手ヨセコウ 」は 5個 あればよいという結論になる。

4. 「 2手ヨセコウ 」の場合は、どうであろうか ?

   上と同様に、「B0 と W0 」すなわち「 B1×2個で黒先 」の実現をめざすことになる。
   ここで、「 B1×2個 」が「 B2×4個 」と同等であることに注目する。
   白 がコウを取り返した時、黒 が B1 を B0 にする手が コウダテ になるからである。
   したがって、「 B1×2個で黒先 」は「 B2x4個で黒先 」と同等となる。
   手番に関係なくそれを実現するということであれば、「 B2×4個+W2 」であればよい。
   「 B2×4個 」は「 W2×8個 」と同等なので、これは「 W2×9個 」と同等である。
   したがって、「 2手ヨセコウ 」は 9個 あればよいという結論になる。

5. これを続けていくと、黒 が1個を解消するのに必要な ヨセコウ の個数は 次のようになる。

   1手ヨセコウ    5 個
   2手ヨセコウ    9 個
   3手ヨセコウ   17 個
   4手ヨセコウ   33 個
     ・ ・ ・
   n手ヨセコウ 「 2の(n+1)乗 +1 」 個

以上が、「ご教授」の内容です。

これをふまえると 基準値、着手する手の価値(黒)、着手する手の価値(白) は

 (本コウ)  :   ( -1/3 )                     ( -9 + 26/3 )
1手ヨセコウ :   -19/5     2/15    1/5
2手ヨセコウ :   -55/9     4/45    1/9
3手ヨセコウ :  -127/17    8/153   1/17
4手ヨセコウ :  -271/33   16/561   1/33

になるかと 思います。

基準値 というのは、ある 形状 が 潜在的 に 持っている 目数 のことです。
1手ヨセコウ の場合、この形状が 5個あれば そのうちの 1個 を 黒 が 解消 して 17目、
残りの 4個 を 白 が 解消 して -36目。
合計してから、1個 あたり に 換算 すると -19/5 目 になります。

( 別掲の出題図を参照してください)

着手 する 手 の 大きさ は、上位の 形状 の 基準値 との 差 であるとしています。
1手ヨセコウ の 上位の 形状 は 本コウ で、
2手ヨセコウ の 上位の 形状 は 1手ヨセコウです。
上に書いた 数字 は、基準値 の 差 を さらに出入りの目数(26目)で割ったものです。

一般に、n 手ヨセコウ に 着手 する 手の 価値 の 総和 は
1/3 という 値 に 収束するはずであると 考えています。
上の 例 では

 2/15 + 4/45 + 8/153 + 16/561 + ・・・

となるのですが、この 値 は 確かに 1/3 に 収束 しています。
( 1/3 - 1/5 ) + ( 1/5 - 1/9 ) + ( 1/9 - 1/17 ) + ( 1/17 - 1/33 ) + ・・・
なのですから、当然のことです。

ここまで、思いつくままに 勝手なことを書いてきました。
何かの参考に、なりますでしょうか ?
この テーマ に関しては、さまざまな 主張 が あります。
議論 が 深まって、決定版 が 出現 することを 期待 しています。

なお今回は、「 ヨセコウ 以外には何もない 」 という 条件設定 をしていました。
これ以外の条件下では 次のようになる、という コメント を もらっています。

  「 Berlekamp が提案した komaster モデル :
     黒がコウダテを沢山持っていてコウには勝てる.
     白側はコウ材では勝てないのでヨセを打つしかない.
     ただし,黒は,白がヨセを打ったら,コウを続けて打たなければならない.
     ヨセを打ちながらコウも頑張る程のコウダテはない.
   というモデルの元では,一手ヨセコウの価値は 1/4 となります.

   また,御存知のように NTE (Neutral Threat Environment) モデルの元では
   1/5 となります.」
                                             ( 記事の終わり )                   

Posted by karoku at 21:59Comments(0)TrackBack(0)コウ