囲碁の雑学
http://karoku01.mediacat-blog.jp
黒川可六 の ブログ です。
ja
karoku
2009-08-28T15:11:43+09:00
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「1目ヨセ」の急所を見つける方法
http://karoku01.mediacat-blog.jp/e41568.html
「囲碁の算法」 という本を、読んでいます。すばらしい本です。 感動しました。誰かに伝えたい 気持ちで、いっぱいです。 とりあえず、冒頭に書いてあることを 紹介 します。私の理解した範囲で、自分流に書きました。そういうわけですから、この記事になにか間違いがあっても、原本にはいささかの責任もありません。ご意見や、感想 を お寄せください。この記事は、試作第一版です。皆さんのご指摘によって、改善 していきたいと思っております。<問題> ヨセ の 問題 です。 黒番 なら、どこに 打ったら よいでしょうか ? ┏┯┯○┯┯○●┓ ┠○○○●●●┼● ┠○┼┼●○●●┨ ○○○○○┼●┼┨ ┠●●●○○●●┨ ┠●┼●●○┼○○ ┠●┼┼○○┼○┨ ●●●●○○┼○○ ┗●┷●○●┷○┛ ヨセ の 対象 となっている 部位 が、7ヶ所 あります。どこに打っても、「 見合計算 」 で 1目 以下 の 価値 しかありません。こういうものを、 ここでは 「1目ヨセ」 の問題 と 呼ぶことにします。 正解は、1ヶ所 だけです。そこに打てば 黒 の 1目勝ち になりますが、それ 以外 では ジゴ にしか なりません。 この記事では、「1目ヨセ」 の 急所 を見つける方法を 紹介 しています。これを 読めば、驚くほど 簡単 に 急所 が見つかるようになります。頭 を使って 考える 必要が、まったく ありません。ちょっとした 作業 を、機械的に 実行 するだけです。極端に云えば、 囲碁 というものを 知らなくても、正解 を見つけることが できます。 何も考えないのだから、時間 もかかりません。要領 が わかってくれば、15秒 ほどで 答え が 出るようになります。<手順書> 「1 目 ヨ セ 」 の 処 理 手 順1.「1目ヨセ 」の 対象 となっている 部位 を、数字 または 記号 で 記述 する。 どういう 数字 や 記号 になるかは、その 部位 の 形状 によって決まっており、 後述の <付録> に 詳しく書いてある。 したがって、<付録> を「 図鑑 」だと思って、機械的 に 引き写して やればよい。 <付録> に書いてない 形状 の 部位 については、定義 にもとづいて 自分 で 判断 する。 どうしても わからなかったら、誰かに教えてもらってもよいだろう。 そういうものは、あとで <付録> に 追加 しておく。2. 上 の結果を、総合計 する。 数字 は、数字どうしで 足し合わせる。 やりかたは、普通の 算数 と同じである。 記号 は、記号どうしで 足し合わせる。 *+*=0、↑+↓=0 を使って、全体を 簡略化 する。 ここで、非常に 重要 なことを 認識 する必要が ある。 それは、 『 互いに打消しあって 0 になった部位は、 どちらが 先着 しても 双方 が 同じ手数 を打ち合って「 引き分け 」になる。 したがって、それらは 互いに 「 見合い 」 の 場所 になっている。 』 ということである。 そのように見なすと、「 ヨセ の 急所 」 が 明らかになる。 そう、いま 目の前 に 残っているもの、すなわち 「 総合計の 結果 」 が、 まさに 「 急所 」なので ある。 べつに、見つけ出そうと 努力 したわけではない。 混沌とした 闇 の中から、「 私が、急所です。」 と 云って 急所が 勝手に 抜け出て来た のである。3. ヨセ の 急所 への対応を、決める。 数字 と 記号 の 両方 が残っていれば、記号 の方を 優先 する。 対応 の 仕方 は、「 多くても 二択、それも ごく簡単な 二択 」 になっている。 *、↑、↓ のうちの いずれか に着手することになるのだが、それらの 性質 を 知っていれば答えは 「 ほとんど 自明 」 である。 キーワード は、「 手どまり を、打つ。 」 である。 ( 手順書 終了 )<解説> 冒頭 に かかげた 例題 で、ためして みよう。 ┏┯┯○┯┯○●┓ ┏┯┯┯┯┯┯┯┓ ┠○○○●●●┼● ┠ (G) ┨ ┠○┼┼●○●●┨ ┠ (F) ┨ ○○○○○┼●┼┨ ┠ (B) ┨ ┠●●●○○●●┨ ┠(E) (A)┨ ┠●┼●●○┼○○ ┠ (C) ┨ ┠●┼┼○○┼○┨ ┠ (D) ┨ ●●●●○○┼○○ ┠ ┨ ┗●┷●○●┷○┛ ┗┷┷┷┷┷┷┷┛ ヨセ の対象となっている 「 部位 」 が、「 7ヶ所 」 ある。 それらを、右図 のように 「 A、B、C、・・・ 、G 」 と 表記 しよう。手順 1 ・・・ 1目ヨセ の対象となる 部位 を、 数字 または 記号 で 記述 する。 A : < 付録 > の 3(E) には、 「 このような 部位 は、アップ(↑)である。」 と書いてある。 したがって、A は ↑ である。 B : < 付録 > の 2(A) には、 「 このような 部位 は、スター(*)である。」 と書いてある。 したがって、B は * である。 C : < 付録 > の 3(I) には、 「 このような 部位 は、↓↓↓ である。」 と書いてある。 したがって、C は ↓↓↓ である。 D : < 付録 > の 1(B) には、 「 このような 部位 は、1/4 である。」 と書いてある。 したがって、D は 1/4 である。 以下、同様 にして E : 1/4 F : -1/2 G : ↑手順 2 ・・・ 上 の結果を、総合計 する。 A=↑、 B=*、 C=↓↓↓、 D=1/4、 E=1/4、 F=-1/2、 G=↑ であった。 これらを 合計 すると ↑ + * + ↓↓↓ +1/4 + 1/4 - 1/2 + ↑ = * + ↓ となる。 これによって、 「*+↓」 が 「 ヨセの急所 」 であることが 判明 した。手順 3 ・・・ ヨセ の 急所 への対応を、決める。 「 急所 」 がわかったので、そこへの 対応 に 専念 することになる。 「*+↓」 なので、打つ手は 「*」 か 「↓」 のいずれかに 限定 されている。 要するに、「 二択 」 の 問題 になっているのである。 「 手どまり を、打つ。」 が、キーワード であった。 「 答え 」 は ほとんど 「 自明 」 であって、考えるまでもない。 黒番 ならば、「↓」 のところ に 着手 すればよいのである。 逆に「*」に 着手すると、白 の方が 「 手どまり 」 を打つことになることも、 容易に 確認 できる。 「↓」 というのは、どこなのか ? A~G の中で 「↓」 を含んでいるのは、C だけである。 したがって、C が 「 唯一 の 最善手 」 ということになる。 「 解答 」 は、これで 終り だ。 念のため、別の手 を打ったときの 結果 も、確認 しておこう。 A なら、残りが ↓↓* になる。 B なら、残りが ↓↓ になる。 C なら、残りが 0 になる。 G なら、残りが ↓↓* になる。 C だけが 0 で、ほかは 全て 「 マイナス 」 である。 やはり、C が 唯一の 最善手 であることが 確かめ られた。 このような 問題 を 解く ための「 所要時間 」は、おおむね こんな 感じ で あろうか ? 手順 1 ・・・ 12 秒 手順 2 ・・・ 2 秒 手順 3 ・・・ 1 秒 <付録>には、難解 なことは 何も 書いてない。 だから、何回か見ていると、ひとりでに覚えてしまう。 そうすると、 いちいち <付録> を 見なくても よくなってしまう。 そうすると、 もっと 早く 解けるようになる。 原本には、似たような問題がいくつも掲載されています。 どうぞ、試して みてください。 そして、この <手順書> の威力を、存分に味わってください。 ( 解説終了 )< 付録 > ヨセ の 算数 で 使用する 数字 と 記号 「1目ヨセ 」の対象となる 部位 を、「 数字 」または「 記号 」を使って 表現 する。 1. 数字 後続のヨセ がない、あるいは 後続のヨセ が すべて 1目の価値 になっているような 部位 は、「 数字 」で 表現 する。 黒地 ができる可能性のある 部位 は プラス の 数字、 白地 ができる可能性のある 部位 は マイナス の 数字 で 表現 する。 下に示した 例 はいずれも プラス の 数字 であるが、白黒 を反転すると マイナス の 数字 になる。 ○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● ○┼┼● ○┼┼┼● ○┼┼┼┼● ○┼┼┼┼┼● ・・・ ○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● (A) 1/2 (B) 1/4 (C) 1/8 (D) 1/16 ・・・ ○●●●●○ ○●●●●●○ ○●●●●●●○ ○┼┼┼┼○ ○┼┼┼┼┼○ ○┼┼┼┼┼┼○ ・・・ ○●●●●○ ○●●●●●○ ○●●●●●●○ (E) 1/2 (F) 1/4 (G) 1/8 ・・・ ●●●● ●●●●●● ●┼┼● ○○○● ○●●●● ●┼┼┼┼● ●┼┼● ○●●● ○┼┼┼● ●┼┼┼●● ○○○○ ┗┷○● ┗○┷┷● ○○○○○○ (H) 1/2 (I) 1/2 (J) 1/4 (K) 3/8 (A) 黒 が先着すると 1目 の 黒地 ができ、白 が先着すると 0目 の 黒地 が できる。 両者の平均 は、1/2目 。 したがって、 ここには 潜在的に 黒地 が 1/2目 あると見なされる。 (B) ここには、潜在的に 黒地 が 1+1/4 あると見なされる。 黒が 先着したときの 2目、と 白 が先着したときの 1/2目 の 平均である。 (C) ここには、潜在的に 黒地 が 2+1/8 あると見なされる。 黒が 先着したときの 3目、と 白 が先着したときの 1+1/4目 の 平均である。 (D) ここには、潜在的に 黒地 が 3+1/16 あると見なされる。 黒が 先着したときの 4目、と 白 が先着したときの 2+1/8目 の 平均である。 各部位 にあてはめた 数字 は、潜在的 な 目数 1/2、1+1/4、2+1/8、3+1/16 ・・・ の 小数部分 である。 整数部分 を 省いたことについては、特に意味があるわけではない。 整数部分は、「 ヨセの手順 の 最適化 」 を考える上では 全く影響 しない。 ここでは、これを 省略 する方式 を 採用している、と 解釈 すればよい。 2. スター * 下記のような 部位 を 「 スター 」 とよび、「 * 」 で表す。 ●○○○○ ○●●● ●●○○○ ●○●●○ ○┼○● ●┼┼┼○ ○○○○●●●● ○○○●●●● ●┼┼┼● ○●●● ●●●○○ ┷┷┷┷┷┷┷┷ ○┷┷○●┷┷ ●●●●● (A) * (B) * (C) * (D) * (E) * ●●○○○ ●○○┼○○ ●○┼┼┼○ ●○●┼○○ ●●●○○ (F) * 黒 が先着するか 白 が先着するかで、出入り 2目 の差が出る。 「 見合計算 」 においては、「 両後手1目 」 とよばれる 部位 である。 (A)、(E)、(F) は、潜在的な 目数 を考慮すると 1+* となるが、整数部分は 省いて かまわない。 スター は、白黒 を反転させても やはり スター である。 スター は、それ自身では プラス でも マイナス でもない。 どちらが 先着 しても、「 先手番 が 手どまり を打つ 」 という 性質 を もっている。 *+* = 0 である。 スター が 2つあると、どちらが 先着 しても 結果 は ゼロ となる。 先手番 が 一方 に着手して 1目獲得しても、 後手番 が 他方 に着手して 帳消しにする、からである。 3. アップ ↑ と ダウン ↓ スター になる 一歩手前 の 形状 の 部位 である。 黒地 ができる可能性のある 部位 は 「 アップ 」で、記号は 「 ↑ 」。 白地 ができる可能性のある 部位 は 「 ダウン 」で、記号は 「 ↓ 」。 アップ の 例 としては、下記 のようなものがある。 ダウン は、これらの 白黒 を反転 させたものである。 ●○○○○ ○●●●● ●┼●●○ ○┼┼○● ●●●○○○○○ ●●○○○○○ ●┼┼┼● ○●●●● ●┷┷●┷┷┷○ ●┷●●○┷┷ ●●●●● (A) ↑ (B) ↑ (C) ↑ (D) ↑ ○●●● ○●┼●● ○┷┷┷● (E) ↑ (A)、(D)、(E) は、潜在的な 目数 を考慮すると 2+↑ となるが、整数部分は 省いて かまわない。 アップ は、プラス である。 どちらが 先着 しても、常に 黒 が 「 手どまり 」 を打つからである。 逆に、ダウン は マイナス である。 ↑+↓= 0 である。 白黒 が対称になっているので、後手番 が 先手番 の 「 マネ 」 をすれば 「 引き分け 」 になるからである。 ↑ から 一手 遠ざかるごとに、部位 の価値が 「 ↑* 」 づつ 増加 することが わかっている。 したがって、下に示した 各部位 の値は 次 のようになる。 ○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● ○●●●●●●● ○┼○● ○┼┼○● ○┼┼┼○● ○┼┼┼┼○● ○┼┼┼┼┼○● ○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● ○●●●●●●● (F) * (G) ↑ (H) ↑↑* (I) ↑↑↑ (J) ↑↑↑↑* 4. タイニー と マイニー ( この記事では、扱わない ) アップ や ダウン が 奥に 「 出入り2目 」 の 余得 を含んでいるのに対して、 タイニー と マイニー は 奥に 「 出入り3目以上 」 の 余得 を含んでいる。 黒地 ができる可能性のある 部位 を 「 タイニー 」、 白地 ができる可能性がある 部位 を 「 マイニー 」 とよぶ。 タイニー の 例 としては、下記 のようなものがある。 マイニー は、これらの 白黒 を反転 させたものである。 ○●●●●● ○●●●● ○┼┼○┼● ○●┼┼● ○●●●●● ○┷┷┷● (A) タイニー (B) タイニー ( 付録終了 )< 補足 > 以下に書いてあることは、筆者の 「道楽」 のようなものです。 理解する必要は、まったく ありません。1. プラス 、マイナス 、ゼロ 「 黒 」に 有利な 部位 を「 プラス 」、「 白 」に 有利な 部位 を「 マイナス 」と 定める。 具体的には、次のように 表現 される。 「 黒 」 が 手どまり を打つことになる 部位 は 「 プラス 」、 「 白 」 が 手どまり を打つことになる 部位 は 「 マイナス 」、である。 どちらが 先着しても、つねに 後手番 が 「 手どまり 」 を打つ 部位 は、「 ゼロ 」である。 「 ゼロ 」 というのは、「 有効な着手が、ない。」 という 意味 をもっている。 全局的には、「 終局した。」 と 解釈 することもできる。 「 ゼロ にした。」というのは、「 手どまりを、打った。」ということと 等しい。 終局 してない時点で、いくつかの 部位 の値の 総和 が「 ゼロ 」になっていると いうことは、 その時点において 手番 になっている者、すなわち その局面における 先手番 にとって 「 手どまりを打つことが、できない。」 ということと 同等 である。 「 後手番 が、手どまりを 打つ。」というのは、「 双方 が、同じ手数 を打つ。」ということと 同じである。 その意味で、これらの 部位 は「 引き分け になる。」と 解釈 することができる。2. ↑ に 接近 する手の 価値 ○●●●●● ○●●●● ○●●●● ○●●● ○┼┼┼○● = ○┼┼○● + ○┼┼○● + ○┼○● ○●●●●● ○●●●● ○●●●● ○●●● ↑ ↑ * この 等式 が 成立する ことは、「組み合わせゲーム」の世界では 以前から わかっていたよう である。 証明の方法は いろいろあるだろうが、 ここでは 『 両辺 の「手どまりの特性」が、「等価」で ある。 』 ということを 示す ことにする。 A. 左辺 の 特性 は、このようである。 黒 が 先着すると、直ちに 0 になる。 ( 黒 が、手どまり を 打つ。) 白 が 先着すると、↑ になる。 B. 右辺 の 特性 は、どうであろうか ? B1. 黒 が 先着 した 場合 (1) 黒は、↑* とするか ↑↑ とするかのいずれかである。 ↑* とすると、白に *+*=0 とされるので好ましくない。 したがって 黒 は、* に着手して ↑↑ を残すことになる。 (2) 白が ↑↑ に着手すれば、結果 は ↑* となる。 (3) 黒が ↑* に着手すれば、* とするか ↑ とするかのいずれかである。 * とすると、白に 0 とされるので好ましくない。 したがって 黒 は、* に着手して ↑ を残すことになる。 (4) 白が ↑ に着手すれば、結果 は * となる。 (5) 黒が * に着手して、結果 は 0 となる。 B2. 白 が 先着 した 場合 白は、*↑* = ↑ とするか ↑↑ とするかのいずれかである。 0 < ↑ < ↑↑ である。 したがって 白は、↑ に着手して ↑ を残すことになる。 以上 の 結果 をまとめると 黒 が 先着 すると 黒番 で 0 になる。( 黒 が、手どまり を 打つ。) 白 が 先着 すると ↑ になる。 左辺 と 右辺 の 「手どまりの特性」 が、一致 した。 これによって、もとの 等式 の 成立することが 確認 できた。 参考文献 ( 補足終了 )<後記> ブログ というものを、はじめて 書きました。 長文になって、申し訳 ありません。 図形 がうまく表示されないので、苦労しました。 私の端末では どうにか 見れるようになったのですが、 読者の端末で くずれて見えるようでしたら、お知らせください。 ( 記事の終了 )
すばらしい本です。 感動しました。
誰かに伝えたい 気持ちで、いっぱいです。
とりあえず、冒頭に書いてあることを 紹介 します。
私の理解した範囲で、自分流に書きました。
そういうわけですから、この記事になにか間違いがあっても、
原本にはいささかの責任もありません。
ご意見や、感想 を お寄せください。
この記事は、試作第一版です。
皆さんのご指摘によって、改善 していきたいと思っております。
<問題> ヨセ の 問題 です。
黒番 なら、どこに 打ったら よいでしょうか ?
┏┯┯○┯┯○●┓
┠○○○●●●┼●
┠○┼┼●○●●┨
○○○○○┼●┼┨
┠●●●○○●●┨
┠●┼●●○┼○○
┠●┼┼○○┼○┨
●●●●○○┼○○
┗●┷●○●┷○┛
ヨセ の 対象 となっている 部位 が、7ヶ所 あります。
どこに打っても、「 見合計算 」 で 1目 以下 の 価値 しかありません。
こういうものを、 ここでは 「1目ヨセ」 の問題 と 呼ぶことにします。
正解は、1ヶ所 だけです。
そこに打てば 黒 の 1目勝ち になりますが、それ 以外 では ジゴ にしか なりません。
この記事では、「1目ヨセ」 の 急所 を見つける方法を 紹介 しています。
これを 読めば、驚くほど 簡単 に 急所 が見つかるようになります。
頭 を使って 考える 必要が、まったく ありません。
ちょっとした 作業 を、機械的に 実行 するだけです。
極端に云えば、 囲碁 というものを 知らなくても、正解 を見つけることが できます。
何も考えないのだから、時間 もかかりません。
要領 が わかってくれば、15秒 ほどで 答え が 出るようになります。
<手順書> 「1 目 ヨ セ 」 の 処 理 手 順
1.「1目ヨセ 」の 対象 となっている 部位 を、数字 または 記号 で 記述 する。
どういう 数字 や 記号 になるかは、その 部位 の 形状 によって決まっており、
後述の <付録> に 詳しく書いてある。
したがって、<付録> を「 図鑑 」だと思って、機械的 に 引き写して やればよい。
<付録> に書いてない 形状 の 部位 については、定義 にもとづいて 自分 で 判断 する。
どうしても わからなかったら、誰かに教えてもらってもよいだろう。
そういうものは、あとで <付録> に 追加 しておく。
2. 上 の結果を、総合計 する。
数字 は、数字どうしで 足し合わせる。
やりかたは、普通の 算数 と同じである。
記号 は、記号どうしで 足し合わせる。
*+*=0、↑+↓=0 を使って、全体を 簡略化 する。
ここで、非常に 重要 なことを 認識 する必要が ある。 それは、
『 互いに打消しあって 0 になった部位は、
どちらが 先着 しても 双方 が 同じ手数 を打ち合って「 引き分け 」になる。
したがって、それらは 互いに 「 見合い 」 の 場所 になっている。 』
ということである。
そのように見なすと、「 ヨセ の 急所 」 が 明らかになる。
そう、いま 目の前 に 残っているもの、すなわち 「 総合計の 結果 」 が、
まさに 「 急所 」なので ある。
べつに、見つけ出そうと 努力 したわけではない。
混沌とした 闇 の中から、「 私が、急所です。」 と 云って 急所が 勝手に 抜け出て来た
のである。
3. ヨセ の 急所 への対応を、決める。
数字 と 記号 の 両方 が残っていれば、記号 の方を 優先 する。
対応 の 仕方 は、「 多くても 二択、それも ごく簡単な 二択 」 になっている。
*、↑、↓ のうちの いずれか に着手することになるのだが、それらの 性質 を
知っていれば答えは 「 ほとんど 自明 」 である。
キーワード は、「 手どまり を、打つ。 」 である。
( 手順書 終了 )
<解説> 冒頭 に かかげた 例題 で、ためして みよう。
┏┯┯○┯┯○●┓ ┏┯┯┯┯┯┯┯┓
┠○○○●●●┼● ┠ (G) ┨
┠○┼┼●○●●┨ ┠ (F) ┨
○○○○○┼●┼┨ ┠ (B) ┨
┠●●●○○●●┨ ┠(E) (A)┨
┠●┼●●○┼○○ ┠ (C) ┨
┠●┼┼○○┼○┨ ┠ (D) ┨
●●●●○○┼○○ ┠ ┨
┗●┷●○●┷○┛ ┗┷┷┷┷┷┷┷┛
ヨセ の対象となっている 「 部位 」 が、「 7ヶ所 」 ある。
それらを、右図 のように 「 A、B、C、・・・ 、G 」 と 表記 しよう。
手順 1 ・・・ 1目ヨセ の対象となる 部位 を、 数字 または 記号 で 記述 する。
A : < 付録 > の 3(E) には、
「 このような 部位 は、アップ(↑)である。」 と書いてある。
したがって、A は ↑ である。
B : < 付録 > の 2(A) には、
「 このような 部位 は、スター(*)である。」 と書いてある。
したがって、B は * である。
C : < 付録 > の 3(I) には、
「 このような 部位 は、↓↓↓ である。」 と書いてある。
したがって、C は ↓↓↓ である。
D : < 付録 > の 1(B) には、
「 このような 部位 は、1/4 である。」 と書いてある。
したがって、D は 1/4 である。
以下、同様 にして
E : 1/4
F : -1/2
G : ↑
手順 2 ・・・ 上 の結果を、総合計 する。
A=↑、 B=*、 C=↓↓↓、 D=1/4、 E=1/4、 F=-1/2、 G=↑
であった。 これらを 合計 すると
↑ + * + ↓↓↓ +1/4 + 1/4 - 1/2 + ↑ = * + ↓
となる。
これによって、 「*+↓」 が 「 ヨセの急所 」 であることが 判明 した。
手順 3 ・・・ ヨセ の 急所 への対応を、決める。
「 急所 」 がわかったので、そこへの 対応 に 専念 することになる。
「*+↓」 なので、打つ手は 「*」 か 「↓」 のいずれかに 限定 されている。
要するに、「 二択 」 の 問題 になっているのである。
「 手どまり を、打つ。」 が、キーワード であった。
「 答え 」 は ほとんど 「 自明 」 であって、考えるまでもない。
黒番 ならば、「↓」 のところ に 着手 すればよいのである。
逆に「*」に 着手すると、白 の方が 「 手どまり 」 を打つことになることも、
容易に 確認 できる。
「↓」 というのは、どこなのか ?
A~G の中で 「↓」 を含んでいるのは、C だけである。
したがって、C が 「 唯一 の 最善手 」 ということになる。
「 解答 」 は、これで 終り だ。
念のため、別の手 を打ったときの 結果 も、確認 しておこう。
A なら、残りが ↓↓* になる。
B なら、残りが ↓↓ になる。
C なら、残りが 0 になる。
G なら、残りが ↓↓* になる。
C だけが 0 で、ほかは 全て 「 マイナス 」 である。
やはり、C が 唯一の 最善手 であることが 確かめ られた。
このような 問題 を 解く ための「 所要時間 」は、おおむね こんな 感じ で あろうか ?
手順 1 ・・・ 12 秒
手順 2 ・・・ 2 秒
手順 3 ・・・ 1 秒
<付録>には、難解 なことは 何も 書いてない。
だから、何回か見ていると、ひとりでに覚えてしまう。
そうすると、 いちいち <付録> を 見なくても よくなってしまう。
そうすると、 もっと 早く 解けるようになる。
原本には、似たような問題がいくつも掲載されています。
どうぞ、試して みてください。
そして、この <手順書> の威力を、存分に味わってください。
( 解説終了 )
< 付録 > ヨセ の 算数 で 使用する 数字 と 記号
「1目ヨセ 」の対象となる 部位 を、「 数字 」または「 記号 」を使って 表現 する。
1. 数字
後続のヨセ がない、あるいは 後続のヨセ が すべて 1目の価値 になっているような 部位
は、「 数字 」で 表現 する。
黒地 ができる可能性のある 部位 は プラス の 数字、
白地 ができる可能性のある 部位 は マイナス の 数字 で 表現 する。
下に示した 例 はいずれも プラス の 数字 であるが、白黒 を反転すると マイナス の 数字
になる。
○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●●
○┼┼● ○┼┼┼● ○┼┼┼┼● ○┼┼┼┼┼● ・・・
○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●●
(A) 1/2 (B) 1/4 (C) 1/8 (D) 1/16 ・・・
○●●●●○ ○●●●●●○ ○●●●●●●○
○┼┼┼┼○ ○┼┼┼┼┼○ ○┼┼┼┼┼┼○ ・・・
○●●●●○ ○●●●●●○ ○●●●●●●○
(E) 1/2 (F) 1/4 (G) 1/8 ・・・
●●●● ●●●●●●
●┼┼● ○○○● ○●●●● ●┼┼┼┼●
●┼┼● ○●●● ○┼┼┼● ●┼┼┼●●
○○○○ ┗┷○● ┗○┷┷● ○○○○○○
(H) 1/2 (I) 1/2 (J) 1/4 (K) 3/8
(A) 黒 が先着すると 1目 の 黒地 ができ、白 が先着すると 0目 の 黒地 が できる。
両者の平均 は、1/2目 。
したがって、 ここには 潜在的に 黒地 が 1/2目 あると見なされる。
(B) ここには、潜在的に 黒地 が 1+1/4 あると見なされる。
黒が 先着したときの 2目、と 白 が先着したときの 1/2目 の 平均である。
(C) ここには、潜在的に 黒地 が 2+1/8 あると見なされる。
黒が 先着したときの 3目、と 白 が先着したときの 1+1/4目 の 平均である。
(D) ここには、潜在的に 黒地 が 3+1/16 あると見なされる。
黒が 先着したときの 4目、と 白 が先着したときの 2+1/8目 の 平均である。
各部位 にあてはめた 数字 は、潜在的 な 目数
1/2、1+1/4、2+1/8、3+1/16 ・・・ の 小数部分 である。
整数部分 を 省いたことについては、特に意味があるわけではない。
整数部分は、「 ヨセの手順 の 最適化 」 を考える上では 全く影響 しない。
ここでは、これを 省略 する方式 を 採用している、と 解釈 すればよい。
2. スター *
下記のような 部位 を 「 スター 」 とよび、「 * 」 で表す。
●○○○○
○●●● ●●○○○ ●○●●○
○┼○● ●┼┼┼○ ○○○○●●●● ○○○●●●● ●┼┼┼●
○●●● ●●●○○ ┷┷┷┷┷┷┷┷ ○┷┷○●┷┷ ●●●●●
(A) * (B) * (C) * (D) * (E) *
●●○○○
●○○┼○○
●○┼┼┼○
●○●┼○○
●●●○○
(F) *
黒 が先着するか 白 が先着するかで、出入り 2目 の差が出る。
「 見合計算 」 においては、「 両後手1目 」 とよばれる 部位 である。
(A)、(E)、(F) は、潜在的な 目数 を考慮すると 1+* となるが、整数部分は 省いて
かまわない。
スター は、白黒 を反転させても やはり スター である。
スター は、それ自身では プラス でも マイナス でもない。
どちらが 先着 しても、「 先手番 が 手どまり を打つ 」 という 性質 を もっている。
*+* = 0 である。
スター が 2つあると、どちらが 先着 しても 結果 は ゼロ となる。
先手番 が 一方 に着手して 1目獲得しても、
後手番 が 他方 に着手して 帳消しにする、からである。
3. アップ ↑ と ダウン ↓
スター になる 一歩手前 の 形状 の 部位 である。
黒地 ができる可能性のある 部位 は 「 アップ 」で、記号は 「 ↑ 」。
白地 ができる可能性のある 部位 は 「 ダウン 」で、記号は 「 ↓ 」。
アップ の 例 としては、下記 のようなものがある。
ダウン は、これらの 白黒 を反転 させたものである。
●○○○○
○●●●● ●┼●●○
○┼┼○● ●●●○○○○○ ●●○○○○○ ●┼┼┼●
○●●●● ●┷┷●┷┷┷○ ●┷●●○┷┷ ●●●●●
(A) ↑ (B) ↑ (C) ↑ (D) ↑
○●●●
○●┼●●
○┷┷┷●
(E) ↑
(A)、(D)、(E) は、潜在的な 目数 を考慮すると 2+↑ となるが、整数部分は 省いて
かまわない。
アップ は、プラス である。
どちらが 先着 しても、常に 黒 が 「 手どまり 」 を打つからである。
逆に、ダウン は マイナス である。
↑+↓= 0 である。
白黒 が対称になっているので、後手番 が 先手番 の 「 マネ 」 をすれば 「 引き分け 」
になるからである。
↑ から 一手 遠ざかるごとに、部位 の価値が 「 ↑* 」 づつ 増加 することが
わかっている。
したがって、下に示した 各部位 の値は 次 のようになる。
○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● ○●●●●●●●
○┼○● ○┼┼○● ○┼┼┼○● ○┼┼┼┼○● ○┼┼┼┼┼○●
○●●● ○●●●● ○●●●●● ○●●●●●● ○●●●●●●●
(F) * (G) ↑ (H) ↑↑* (I) ↑↑↑ (J) ↑↑↑↑*
4. タイニー と マイニー ( この記事では、扱わない )
アップ や ダウン が 奥に 「 出入り2目 」 の 余得 を含んでいるのに対して、
タイニー と マイニー は 奥に 「 出入り3目以上 」 の 余得 を含んでいる。
黒地 ができる可能性のある 部位 を 「 タイニー 」、
白地 ができる可能性がある 部位 を 「 マイニー 」 とよぶ。
タイニー の 例 としては、下記 のようなものがある。
マイニー は、これらの 白黒 を反転 させたものである。
○●●●●● ○●●●●
○┼┼○┼● ○●┼┼●
○●●●●● ○┷┷┷●
(A) タイニー (B) タイニー
( 付録終了 )
< 補足 > 以下に書いてあることは、筆者の 「道楽」 のようなものです。
理解する必要は、まったく ありません。
1. プラス 、マイナス 、ゼロ
「 黒 」に 有利な 部位 を「 プラス 」、「 白 」に 有利な 部位 を「 マイナス 」と 定める。
具体的には、次のように 表現 される。
「 黒 」 が 手どまり を打つことになる 部位 は 「 プラス 」、
「 白 」 が 手どまり を打つことになる 部位 は 「 マイナス 」、である。
どちらが 先着しても、つねに 後手番 が 「 手どまり 」 を打つ 部位 は、「 ゼロ 」である。
「 ゼロ 」 というのは、「 有効な着手が、ない。」 という 意味 をもっている。
全局的には、「 終局した。」 と 解釈 することもできる。
「 ゼロ にした。」というのは、「 手どまりを、打った。」ということと 等しい。
終局 してない時点で、いくつかの 部位 の値の 総和 が「 ゼロ 」になっていると いうことは、
その時点において 手番 になっている者、すなわち その局面における 先手番 にとって
「 手どまりを打つことが、できない。」 ということと 同等 である。
「 後手番 が、手どまりを 打つ。」というのは、「 双方 が、同じ手数 を打つ。」ということと
同じである。
その意味で、これらの 部位 は「 引き分け になる。」と 解釈 することができる。
2. ↑ に 接近 する手の 価値
○●●●●● ○●●●● ○●●●● ○●●●
○┼┼┼○● = ○┼┼○● + ○┼┼○● + ○┼○●
○●●●●● ○●●●● ○●●●● ○●●●
↑ ↑ *
この 等式 が 成立する ことは、「組み合わせゲーム」の世界では 以前から わかっていたよう
である。
証明の方法は いろいろあるだろうが、 ここでは
『 両辺 の「手どまりの特性」が、「等価」で ある。 』 ということを 示す ことにする。
A. 左辺 の 特性 は、このようである。
黒 が 先着すると、直ちに 0 になる。 ( 黒 が、手どまり を 打つ。)
白 が 先着すると、↑ になる。
B. 右辺 の 特性 は、どうであろうか ?
B1. 黒 が 先着 した 場合
(1) 黒は、↑* とするか ↑↑ とするかのいずれかである。
↑* とすると、白に *+*=0 とされるので好ましくない。
したがって 黒 は、* に着手して ↑↑ を残すことになる。
(2) 白が ↑↑ に着手すれば、結果 は ↑* となる。
(3) 黒が ↑* に着手すれば、* とするか ↑ とするかのいずれかである。
* とすると、白に 0 とされるので好ましくない。
したがって 黒 は、* に着手して ↑ を残すことになる。
(4) 白が ↑ に着手すれば、結果 は * となる。
(5) 黒が * に着手して、結果 は 0 となる。
B2. 白 が 先着 した 場合
白は、*↑* = ↑ とするか ↑↑ とするかのいずれかである。
0 < ↑ < ↑↑ である。
したがって 白は、↑ に着手して ↑ を残すことになる。
以上 の 結果 をまとめると
黒 が 先着 すると 黒番 で 0 になる。( 黒 が、手どまり を 打つ。)
白 が 先着 すると ↑ になる。
左辺 と 右辺 の 「手どまりの特性」 が、一致 した。
これによって、もとの 等式 の 成立することが 確認 できた。
参考文献
( 補足終了 )
<後記>
ブログ というものを、はじめて 書きました。
長文になって、申し訳 ありません。
図形 がうまく表示されないので、苦労しました。
私の端末では どうにか 見れるようになったのですが、
読者の端末で くずれて見えるようでしたら、お知らせください。
( 記事の終了 )
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ヨセ
karoku
2009-09-11T18:42:49+09:00